第二秘書は恋に盲目
さっきのお父さんとの会話、この人本気だったんだ。

「ご、ごめんなさい!
解剖だけは勘弁を…!」

「は?
ふざけてないでさっさと傷口見せろ」

傷口…?
あ、あぁ、…そういうことでしたか。

だったらそう言ってよ!
いや、だとしてもだ!
なんで今見せなきゃいけないの?
病院の先生に見せるなら恥ずかしさも我慢するけど、孝宏さんにとか恥ずかしすぎる。
全然医者に見えないんだけど。
医者だとしても、闇医者だって言われた方がよっぽど納得できる?

「どれだけ時間かけるんだよ」

椅子に座った孝宏さんは、私の腕を引いて自分の目の前に立たせた。そして、何の戸惑いもなく私の着ている服をめくった。

「…っ」

まじか、この人。
いくら医者でも、やっていいことと悪いことがある。
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