初恋
昼休み―――
「理子、今日放送当番?」

理子は放送委員。昼休みはずっと放送室で音楽を流さなきゃいけない。

「あ。そうだった。じゃあ遊べないねー」

「あ、いいよ。奈央と一緒に居る。」

「ごめんね?」

「いいっていいって。」

でも昼休みが終わっても理子が帰って来ない。

・・・・あれ?

しばらくして先生と同じ放送委員の女の子が教室に戻ってきた。

「ねぇ、美紀?」

「何?奈央」

「理子来ないね。」

「ね。どうしたんだろう。5時間目はお祭りの作業なのに」

「あの・・・先生、理子ちゃんは・・・・・?」

「理子ちゃん、怪我をして家に帰ったけど・・・」

「・・・どうして?」

「愛美ちゃんが放送室のドアを開けようとしたら琴美ちゃんの足に当たっちゃって、つめが剥がれて病院に行ったの。だからしばらくは学校に来れないと思う。」

「・・・え?」

「理子かわいそうだね。美紀。」

「うん・・・大丈夫かな・・・」

この深刻な空気の中、先生は素早く切り替えをした。

「じゃあ早速だけど、作業に取りかかって!」

切り替え早過ぎるだろ・・・

うちのとこのグループは何か話し合ってる。

理子がいないからつまんない。

「おーい。美紀も案出せよ。」

仕切ってる男子に言われた。
今何を話し合ってるのかも知らない。
話す気になれない。

「特に何もない。」

周りは何やら作業してるけど・・・

うちは1人で窓からの風景を眺めていた。

すると誰か男子に話かけられた。

「何やってんの。暇ならコレ手伝えよ。」

そう言って紙を渡された。

何かスタンプカードを作れと・・・

「・・・うち定規で線引けない。曲がっちゃう。」


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