アナタノコトヲ。
♥︎心構え
手元の時計を見る。
現在ーー20xx年8月15日 13:23
そろそろ行くか。
ボロアパートの錆びたドアを足でこじ開ける。
錆びた手すりも触らす、階段を駆け下りる。
そこから、10歩歩いて新築の家のインターホンを鳴らす。
返事はない。
鞄をあさり鍵を取り出す。
ーーガチャ
そこから一直線に一番奥の扉に向かう。
ーードンッ‼︎‼︎
「海斗さん、いつまで寝てんですか!もう昼すぎてすよ‼︎」
「んぅ〜ん……。」
私は光を遮断していた窓のカーテンを開ける。
「ゔぁ!……死ぬ。」
「死にません。起きてください。」
「花菜ちゃんがキスしてくれたら起きる…。」
「しません。」
無駄にお色気出して私に問いかけるんだから。
私の気持ちも気にして欲しい…。
「ちぇ〜。」
もぞもぞしながら顔を出す。
この人、人としてはダメダメだけど、
顔はいいのよね。
顔だけは。