アナタノコトヲ。
琴美side
翔太くんはまだ家の外にいた。
暗いけど、あの背丈にあの服装は今さっきのと同じだ。
「しょ、翔太く〜ん‼︎」
大きい声を出すのは少しばかり恥ずかしかった…。
だって、もう大人だもの。
「…琴美さん?どうしたんです⁇」
私に気づいた翔太くんは止まって駆け寄ってくれた。
「コレ…、忘れ物!」
「あっ!すいません、ありがとうございます!」
「いいえ!」
彼は立ち止まったままだ。
やっぱり私から聞いたほうがいいかな…。
「翔太くん!」
「はい。」
「……翔太くんの好きなコって、もしかして……。」
花菜、なのかしら…。
「……やっぱ、わかりました?」
照れか苦笑いかわかりづらい笑い方。
「ええ。二人のやり取りを見ててもしかしてって思ったんだけど………。」
「……手帳に挟んでいる写真が決定打ですかね?」
「…うん。別に見るつもりはなかったの!けど、その手帳を見つけた時床に落ちていたから、その時……。」
幼い頃の花菜と二人で写っている写真が落ちたんだわ…。
「そうですか……。」
「もしかして、昔からずっと…?」
「ーーはい。正確には五歳の頃からです。」
そんな前から…。
「思いを伝えたりもしてないのよね?」
「はい。花菜は俺のコト好きじゃないコトはわかってるんで。」