アナタノコトヲ。
「……あっ、見えてきた。」
海斗さん…。
あの後、どうしたのだろう…。
「さっさと原稿もらいに行くぞ。」
「う、うん。」
海斗さんの家の前に向かうと、ビニール製の袋がカゴの中に置いてあった。
「これは……。」
中身を見てみると、原稿が入っていた。
「海斗さんは、私に会いたくもないのかな?」
「……………。」
ヤバイ。
泣きそう。
翔太の前で泣くなんて、恥ずかしい。
「花菜、お前は先に事務所行ってろ。俺も後で行くから、昼は一緒に食べるぞ。」
「……わかった。」
そして、私は翔太を置いて事務所に向かった。