アナタノコトヲ。
「花菜!」
「翔太…。」
その後、俺は花菜が海斗サンの原稿を取りに行くときは、花菜の家の中で見守っておく約束をした。
「……じゃあ、行ってきます。」
「いってらっしゃい。」
実はこんなやり取りを嬉しく思ったり…。
実は花菜が原稿を取りに行くとき、海斗サンがカーテンの影から花菜を見つめていること…。
花菜がまだ海斗サンのコトが好きなこと。
「今日も、出てきてくれなかったや…。」
苦笑いで笑う君を見るのは嫌だ。
けど、君を誰かに取られるのも嫌なんだ。
全てを知っているのは俺だけだ…。
「俺さ……、お前のこと……。」
「……ん?」
「…やっぱなんでもない。」
なのに、告白する勇気もないんだ…。