アナタノコトヲ。
私の道案内で一番近い観覧車に着いた。
「あれ?ここ、水族館じゃない?」
「はい。観覧車に乗りたいんでしょ?ならわざわざ遊園地でお金出すよりこっちの方が断然安いですよ。」
「さすが花菜ちゃん! お金の無駄遣いがない‼︎」
「……早く行きますよ!」
褒められているのだろうか、それとも嫌味だろうか。
クスクス彼は笑ってる。
ちっ。嫌味の方だったか。
私はわざと海斗さんの足を踏んだ。
「ーーいてっ!」
「すみません、わざとです。」
「いいよ、ならしょうがな……えっ⁇」
目をまんるくしてる海斗さん。
「ーークスクスッ」
今度は私が笑ってやった。
海斗さんもやらてたって感じの顔してる。
一本取ったり‼︎
ーーて言うのが私の気持ち♪
「ようこそ!F水族館へ‼︎ ただいま、キャンペーンでカップルさんにはこのキーホルダーが送られるのですが……」
イルカのキーホルダー…。
可愛い…。
ーーじゃなくて!
「私たちカップルじゃ……」
「俺たちカップルじゃないんで。」
……あっ。
「それは、失礼いたしました。それではゆっくりF水族館をお楽しみください。」
「さっ…、行こっか!」
「ーーはい。」
何考えてるの私…。
海斗さんは本当の事を言ってるだけじゃない…。
ーー寂しいなんて、
可笑しいじゃない……。
海斗さんは私の彼氏じゃないんだし…。