光のワタシと影の私
ずっと一緒に
これからどんな災難が私たちに降りかかるのかも分かったものじゃない。
今回のようにメディアから悪い影響を受けて二人の関係がぎくしゃくしてしまうこともあるかもしれない。
でも、私がREIがいてくれて、REIと出会えたことで自分の居場所を初めて知ることが出来るようになった。
まだ学校に行けば影からコソコソと文句を浴びせてくる女子生徒たちはいる。反対に応援してくれるようになってきた男子生徒もあらわれるようになった。
何でも適当にこなして、高校を卒業して…特にやりたいことが無ければ進学して…そんな生活が続いていくのかと思っていたけれど、REIと出会えて、ユニットを組むことになって私の生活のなかには光りが溢れるようになった。
出会いはほんの些細なきっかけだったようなものだけれど、それでもお姉ちゃんにも感謝しているし、もちろんREIにも感謝には私なりの努力で返していこうと思う。
谷口さんからの引き抜きはもちろん個人的に連絡を取ることによってお断りをしておいた。下手に事務所などを通してお断りの連絡をするとなると多くの人たちに迷惑を掛けてしまうかもしれないと思ったから。
これで良いんだ。
これで、またREIとの新曲を歌い続けていくことができる。
ちょうどREIが事務所にいるとお姉ちゃんから聞いた私は放課後になるとすぐに事務所に向かった。
これももう慣れたもので受付をしている女性スタッフにもほとんど顔パス。
エレベーターに乗り、事務所の階でエレベーターから下りると事務所の入り口近くにREIの姿を見つけた。
遠目だったし、何をしているのかはっきりと分かったものではなかったけれど、事務所に入ろうか入らないでいこうか…迷っているようにも見えた。
「REI!いてくれて良かった!」
そんなREIの迷いを払拭させるかのように元気に声を掛けていくとREIはびっくりしながら私に顔を向けてきた。
いろいろなメディアの情報によって困惑しているようにも見える。
「REI、まず先に言っておくね?メールでも言ったように、私はソロなんて無理だから!私にはREIがいてくれないと輝けないから!」
「…それは、うん…聞いてたけど…今はだいぶ落ち着いたんだけどさっきまでは事務所のなかも変なムードが出てて居づらくて…」
「…ごめん。私がもっとちゃんと言っておくべきだったんだよね」
「一番の被害者は麗華でしょ?…お疲れ様」
谷口さんとのやり取りのことを言っているのだろうか?私に労いの言葉を向けてくるREIはぽんぽんと私の肩を軽く叩いて苦笑いした。
「そう言えば…今日って、社長さん…いるのかな?」
「たぶん。予定が無ければ事務所内にいるはずだけど…」
「よし!じゃあ、行こう!REI!」
「え?」
言いながらREIの手を引いて事務所に挨拶をしながら入っていくと一瞬嫌な視線を肌に感じながらも笑顔を浮かべることを忘れずにおそらく社長がいるであろうデスクに向かって行った。
「社長!お話があります!」
「二人して…どうしたんだい?」
「私は…REIがいて、やっと一人前なんです!だからこれから先もREIと一緒に組ませてください!」
深々と。
それはもう直角に近いほどに腰を曲げ、頭を下げることによって挨拶をしていくと隣りにいたREIもさすがにびっくりしたのか僅かに引いている手に力が加わったような気がした。
「私はずっと一人で…このままで良いと思いながら生活してきました。だけど、そこにREIという光りを見つけたことで生活に潤いが感じるようになったんです。今もまだ完璧にREIを支えることは難しいかもしれませんけど、REIと一緒にいさせてください!」
根暗。
友達いない。
無愛想。
そんな単語が似合いそうな私の学校生活だったのに、今ではちょっと街中に出掛けるだけでも注目を浴びてしまうほどの有名人になってしまった。これは、REIの光りを分けてもらったおかげだ。
でも、その生活は不思議と嫌じゃなかった。REIと一緒にいられるならばどんな仕事でも、歌でもこなしてみたいし、REIに関わることならば私はどんな努力も惜しまない。
「…彼女はそう言っているが、REI…キミは何か言いたいことはあるかい?」
「ワタシは…っ…ワタシも、麗華と一緒にいたいです!」
どんなに凄い人でも絶対に人は一人では生きてはいけないだろう。
逆にどんなにダメな人間でもいつかは孤独のままでは過ごしてはいけない日がやってくるはずだ。
「OKだ。今後何があっても引き抜きだのといった類の話しは勘弁してくれよ?」
「「はい!」」
二人で息が揃った返事はどんな凄い名曲よりもぴったりなハーモニーを奏でていた気がする。
これからは音楽活動をメインに、余裕が生まれてきたらコンサートを少しずつ取り入れることによってより多くのファンを引き入れることもしてみたい。
ただ、歌に関しては丸々REIに任せてしまっているので私にも何か出来ることがあるならば作詞でもなんでも良いから協力をしていこうと思う。
私たちの活動はまだまだ始まったばかりだ。
新人が世間に受け入れてもらうためには今まで以上の努力が必要になってくる。REIが今までこなしてきた努力以上のものを私はこなしていかなければならないのだ。
それは、どんな難しい勉強を解くことよりも大変なことだろう。
だけれど、REIが傍にいてくれたらどんな大変なことでも乗り越えていけそうな気がする。
ううん、乗り越えていくんだ。
私はREIという光りが生み出した影。
だけれど、影だからといって何も出来ないわけではない。影には影ならではの役割がある。時には、衝突することもあるかもしれないけれど、私たちならばそれが出来るだろう。
今回のようにメディアから悪い影響を受けて二人の関係がぎくしゃくしてしまうこともあるかもしれない。
でも、私がREIがいてくれて、REIと出会えたことで自分の居場所を初めて知ることが出来るようになった。
まだ学校に行けば影からコソコソと文句を浴びせてくる女子生徒たちはいる。反対に応援してくれるようになってきた男子生徒もあらわれるようになった。
何でも適当にこなして、高校を卒業して…特にやりたいことが無ければ進学して…そんな生活が続いていくのかと思っていたけれど、REIと出会えて、ユニットを組むことになって私の生活のなかには光りが溢れるようになった。
出会いはほんの些細なきっかけだったようなものだけれど、それでもお姉ちゃんにも感謝しているし、もちろんREIにも感謝には私なりの努力で返していこうと思う。
谷口さんからの引き抜きはもちろん個人的に連絡を取ることによってお断りをしておいた。下手に事務所などを通してお断りの連絡をするとなると多くの人たちに迷惑を掛けてしまうかもしれないと思ったから。
これで良いんだ。
これで、またREIとの新曲を歌い続けていくことができる。
ちょうどREIが事務所にいるとお姉ちゃんから聞いた私は放課後になるとすぐに事務所に向かった。
これももう慣れたもので受付をしている女性スタッフにもほとんど顔パス。
エレベーターに乗り、事務所の階でエレベーターから下りると事務所の入り口近くにREIの姿を見つけた。
遠目だったし、何をしているのかはっきりと分かったものではなかったけれど、事務所に入ろうか入らないでいこうか…迷っているようにも見えた。
「REI!いてくれて良かった!」
そんなREIの迷いを払拭させるかのように元気に声を掛けていくとREIはびっくりしながら私に顔を向けてきた。
いろいろなメディアの情報によって困惑しているようにも見える。
「REI、まず先に言っておくね?メールでも言ったように、私はソロなんて無理だから!私にはREIがいてくれないと輝けないから!」
「…それは、うん…聞いてたけど…今はだいぶ落ち着いたんだけどさっきまでは事務所のなかも変なムードが出てて居づらくて…」
「…ごめん。私がもっとちゃんと言っておくべきだったんだよね」
「一番の被害者は麗華でしょ?…お疲れ様」
谷口さんとのやり取りのことを言っているのだろうか?私に労いの言葉を向けてくるREIはぽんぽんと私の肩を軽く叩いて苦笑いした。
「そう言えば…今日って、社長さん…いるのかな?」
「たぶん。予定が無ければ事務所内にいるはずだけど…」
「よし!じゃあ、行こう!REI!」
「え?」
言いながらREIの手を引いて事務所に挨拶をしながら入っていくと一瞬嫌な視線を肌に感じながらも笑顔を浮かべることを忘れずにおそらく社長がいるであろうデスクに向かって行った。
「社長!お話があります!」
「二人して…どうしたんだい?」
「私は…REIがいて、やっと一人前なんです!だからこれから先もREIと一緒に組ませてください!」
深々と。
それはもう直角に近いほどに腰を曲げ、頭を下げることによって挨拶をしていくと隣りにいたREIもさすがにびっくりしたのか僅かに引いている手に力が加わったような気がした。
「私はずっと一人で…このままで良いと思いながら生活してきました。だけど、そこにREIという光りを見つけたことで生活に潤いが感じるようになったんです。今もまだ完璧にREIを支えることは難しいかもしれませんけど、REIと一緒にいさせてください!」
根暗。
友達いない。
無愛想。
そんな単語が似合いそうな私の学校生活だったのに、今ではちょっと街中に出掛けるだけでも注目を浴びてしまうほどの有名人になってしまった。これは、REIの光りを分けてもらったおかげだ。
でも、その生活は不思議と嫌じゃなかった。REIと一緒にいられるならばどんな仕事でも、歌でもこなしてみたいし、REIに関わることならば私はどんな努力も惜しまない。
「…彼女はそう言っているが、REI…キミは何か言いたいことはあるかい?」
「ワタシは…っ…ワタシも、麗華と一緒にいたいです!」
どんなに凄い人でも絶対に人は一人では生きてはいけないだろう。
逆にどんなにダメな人間でもいつかは孤独のままでは過ごしてはいけない日がやってくるはずだ。
「OKだ。今後何があっても引き抜きだのといった類の話しは勘弁してくれよ?」
「「はい!」」
二人で息が揃った返事はどんな凄い名曲よりもぴったりなハーモニーを奏でていた気がする。
これからは音楽活動をメインに、余裕が生まれてきたらコンサートを少しずつ取り入れることによってより多くのファンを引き入れることもしてみたい。
ただ、歌に関しては丸々REIに任せてしまっているので私にも何か出来ることがあるならば作詞でもなんでも良いから協力をしていこうと思う。
私たちの活動はまだまだ始まったばかりだ。
新人が世間に受け入れてもらうためには今まで以上の努力が必要になってくる。REIが今までこなしてきた努力以上のものを私はこなしていかなければならないのだ。
それは、どんな難しい勉強を解くことよりも大変なことだろう。
だけれど、REIが傍にいてくれたらどんな大変なことでも乗り越えていけそうな気がする。
ううん、乗り越えていくんだ。
私はREIという光りが生み出した影。
だけれど、影だからといって何も出来ないわけではない。影には影ならではの役割がある。時には、衝突することもあるかもしれないけれど、私たちならばそれが出来るだろう。