クールな君が好きなんです!!


私は桐崎くんの袖を引っ張って、折りたたみ傘を渡す。


「……なに?要らないんだけど」

拒否られてもいい。


「ダメ、です……っ。
使ってください…!」


だけど、貰ってくれるまで渡し続ける。



桐崎くんに風邪をひかれたら困る。
これからは、話しかけちゃいけないから…っ、だから……。



「………じゃ、使わせてもらうけど
これからはこういうのもいい。」


そう言って傘をさして外に出ていく。



私は、その場で立ち止まったまんまだった。



次第に、ガヤガヤし始めてドンッと誰かに押されて外に出てしまう。



「あ、すいません…」

「いえ……、大丈夫です、 」


私は濡れたまんま桐崎くんの背中を眺めていた。


< 130 / 300 >

この作品をシェア

pagetop