クールな君が好きなんです!!
お昼が終わって、放課後になるとあゆちゃんにノートを渡された。
「話しかけにくいなら、これ渡してくれば?桐崎、当番だし」
それは、数学のノート。
あ、先生が当番に出せって言ってた。
私はあゆちゃんからノートを受け取って、自分のノートも取る。
次々に教室から出ていく生徒からノートを受け取って席から立つ桐崎くんを見つけて、スカートをギュッと握る。
「ほら、行ってきな!」
あゆちゃんがそう言って、笑ってくれたから私は教室から出ていく桐崎くんのことを追いかけた。
「きり、さき……くんっ…!、」
私が話しかけると、ピタッと止まって冷たい目で私を見る。
ビクッとする私をジッと見つめて口を開く。
「………何?」
今まで聞いたこともない低い声。