クールな君が好きなんです!!



「あ、……ごめんなさい…っ」

そう言うと、女の子たちは一斉に逃げてしまう。


その姿を見送ると、桐崎くんは私を離した。


「なんで言っちゃったんですか!?」

すぐ振り返ってそう言うと、桐崎くんは「はぁ」とため息をついた。


「黙っとけばアンタは何もしないって思ってたけど、やっぱり言った方が良かった。」

……え?


「言っとけば、みんな何もしてこなかったのにね。」

そうやって、桐崎くんは私のことを見ながら話す。


私は嬉しすぎて抱きついてしまった。


「……っ、あり、がとう…です」

力強く桐崎くんのセーターを握ると桐崎くんは、少し笑って頭をポンっとしてくれた。


「今度は助けられて良かった。」


小さい声でそう言ったのもちゃんと聞こえました。



< 233 / 300 >

この作品をシェア

pagetop