クールな君が好きなんです!!
「……呼び捨て」
私はボソッと呟いてしまった。
「なに?」
桐崎くんが、私を不思議そうに見てる。
え?声に出てた!?
「な、何でもないです……!」
私は誤魔化して歩いて帰った。
いつものように、また家まで送ってくれると私が入るまで見ててくれる。
ふふっ……。本当にこういうところ大好きだなぁ。
家に入ろうとドアノブに手をかけた時、桐崎くんがボソッと何かを言った。
「早く入りなよ」
「あ、ごめんなさい!今日もありがとうございます…!」
そう言ってガチャッとドアを開けて足を踏み出す。
するとグイッと肩を引っ張られて
耳元で言われる。
「………仁菜」
私は目を大きく開いた。
今、なんて……?