クールな君が好きなんです!!



だ、だって……


リビングにも、2階にも人がいない。


お母さんは、買い物に出かけてしまってるらしくて、お父さんは仕事。


お姉さんは、デート中らしい。



「……なに?」

何も話さない私に、違和感があるのか、桐崎くんは、そう聞いた。


「え?あ、いや……。

き、緊張するなぁと思いまして…!」

少し、顔が赤くなるのがわかる。


「ふぅん……。
ま、すぐ帰ってくるんじゃない?」


「で、です、よね……!」


私とは違って、冷静な桐崎くん。

「お、おトイレはどこですか……!?」

恥ずかしくなって立ち上がる。


その瞬間、ヒラっと落ちてきたファイルに足を滑らせ、後ろに倒れる。



ボフッと、ベッドに勢いよく倒れて、その上に桐崎くんが被さる。



え………?



「………っ、あ、あの……?」


顔を真っ赤にしてるだろう、私に、桐崎くんは目を見開いてる。



「……なに、してんの?」


すごく、近くて顔に息がかかる。



「あ、足をすべらせて……っ
ご、ごめんなさ……っい。
ど、どきます……!!」


そう言って、桐崎くんから離れようと彼を軽く押す。


でも、びくともしない。



え……?



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