クールな君が好きなんです!!
食器を片付けていると、お母さんが静かに口を開いた。
「……あの子、すごくクールでしょ?
家でも、あまり話してくれないのよ……」
「え? 桐崎くんらしいです……」
お母さんの言葉に、私は、フフッと笑った。
「でもね、昔はよく話してて明るい子だったのよ~。だけど、いつからか、勉強を頑張り出して、今じゃああなってしまって……」
悲しげなお母さんの表情。
けれど、それはすぐに消えた。
「そして、いつからかしら?
お姉ちゃんに仁菜ちゃんのことを言い出したのは。」
え……?
「いつも、悩んでたわよ。
どうしたらいいのか。とかね…
だから、仁菜ちゃん。
怜をよろしくね」
お母さんが、水を止めて、私のことを見て、微笑みながらそう言う。
私は、お姉さんから最後のお皿を受け取って拭いてから、ニコッと笑顔を見せた。
「はい……!
私、バカで運動もあんまり得意じゃないですけど桐崎くんを好きなことだけには自信しかありませんので!!」
私が、自信満々にいうと、お母さんは、最初目を見開いたがその後すぐに微笑んだ。
「それなら、心配ないわね」と。