クールな君が好きなんです!!
そして、2階から私のカバンを持った桐崎くんが降りてくる。
「ん、行くよ」
そう言って、リビングを出ると、お姉さんとお母さんが来た。
「またいつでも来てね、仁菜ちゃん。」
お母さんは、優しく微笑む。
「今度、ショッピング行こうね!」
お姉さんは、グッとガッツポーズをした。
「はい!お邪魔しました!」
そう言って、桐崎くんと家を出ると
すぐに、桐崎くんは「ん、」と手を差し出してきた。
私は、嬉しくて、ギュッと掴んだ。
この手は、すごく安心する。
「どうだった?うちの家族。」
桐崎くんが、最初に口を開いた
「あんまり、桐崎くんから話を聞かないので知れて良かったです!とてもいい家族ですね!本当にありがとうございます!」
私が、微笑むと、桐崎くんはそっぽを向いた。
「ま、何しても離れないって言ったしね。」
そう言って、少し早歩きになる桐崎くん。
私は、そこでやっと思い出す。
「そ、そうですよ!離れるなんて信じられません!」
私が慌ててそういうと桐崎くんは、「ふぅん」と言った。
「ま、俺もだけどね」
小さい声でボソッと言われたその言葉。
だけど私はちゃんと聞いてましたよ…!!
「絶対離れませんから……!!」
街灯の灯りが綺麗な夜道。
私は、大きな声でそう言った。