娘の結婚 〜14年目の永遠の誓い 番外編(1)〜
……が、しかし、だ。
まさか、心臓は調子の悪いまま、
同い年の男が、
まだ高校生の娘を奪って行くとは思いもしなかった!
しかも、陽菜を想う気持ちは、私が妻を思う気持ちより、もしかしたら遥かに深いのではないかと思わされるくらいで……。
陽菜のために高校生ながら収入を確保した上で、結婚も筋を通して、私に事前に許可をもらいに来たくらい、そいつは陽菜を本気で愛している。
確かに、陽菜のためには、そいつとの結婚が良いのだろうと思ってしまった自分に、心底驚いた。
だが、許せるはずがないだろう。
そして、怒りに任せて、嫁にはやらんと言うと、そいつは怯むどころか、即座に言い間違えたから、やり直しても良いかと言いやがった。
自分を陽菜の婿にしてくれ……と。
自分が姓を変え、牧村になるから、私の息子にしてくれと……。
しかも、新居に出て行くのではなく、この家に住ませてくれという。
気がつくと、形がどうあれ陽菜を奪われるには違いないのに、私は思わず頷いていた。
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