娘の結婚 〜14年目の永遠の誓い 番外編(1)〜
あの日、絶対に許すはずのない結婚を承諾してしまった後、一人で反省会を開いた。
あの手腕は、なかなかすごかった。
とても高校生とは思えない交渉術だ。
分かっていてやっているのか、天性のものかは分からない。
が、いずれにしても、筋が良いのは間違いない。
私もまだ若いが、いずれは、牧村商事の跡取りも考えなくてはいけない。
我が家には、非常に出来の良い長男がいるが、医学の道へと進んでしまった。
陽菜は働けるような身体ではない。
世襲にはこだわらないつもりだったが、良いことを思いついてしまったんだ。
そう、娘婿が継いでくれるというのはどうだろう?
よくある話だ。
彼は先日、やっと18歳になったばかりだと言うのに、既にひと財産築いてしまっている。
ひとえに陽菜のために。
だから、こんな重荷は嫌だと渋るかも知れない。
けど、構うものか。
私の宝物を奪っていったんだ、オマケの一つや二つ、持って行ってもらっても良いだろう?
いや。
陽菜の婿には自動的についてくる義務ってことでどうだろう?
押し付けが過ぎて、陽菜共々出て行かれてしまったなんてことにならないように、慎重に進める必要がある。