娘の結婚 〜14年目の永遠の誓い 番外編(1)〜
なに大丈夫だ。
時間はまだまだある。
何しろ、彼は18歳。10年もあれば洗脳には十分じゃないか?
幸い、私もまだ若い。20年かけても良いかもしれない。
いやいや、愉快愉快。
「叶太くん、君は投資をやっていたね? もし、事業投資なんかにも興味があれば、いつでも言ってくれたまえ。
株や不動産では、もう教えることもないだろうが、事業投資なら、まだ私でも教えられると思うよ」
「え!? 本当ですか!? 嬉しいなあ、今度ぜひ! 興味はあったけど、そこはまだ勉強できてなくて」
「それは良かった! じゃあ、陽菜が寝た後の夜にでも勉強会をしよう。新婚さんの邪魔もなんだから、そうだな、来週からでどうだい?」
彼が嬉しそうに同意をするのを見て、私は密かにほくそ笑んだ。
☆ ☆ ☆
結局、陽菜の二度の手術と長引く入院で、なかなか勉強会は実現しなかったが、興味があるのは本当みたいで、私が貸した本は既に2冊返ってきた。
来週には、ようやく陽菜も退院予定だ。