ありがとう。そして、さようなら
僕が生まれたときは、父さんも一人前の大工になっていた。


そりゃ半人前じゃ、じいちゃんの許しはもらえるはずがない。


とにかく、母さんと結婚がしたいがために大工に没頭したようだ。

だけど、大工の仕事を一人前に出来、母さんと結婚できた途端に自信を持ったのか、はたまた何を勘違いしたのかギャンブルに浮気に酒に他もろもろ沢山の趣味に走ったという…

そんな中でも僕が生まれ、じいちゃんやばあちゃんにとっては初孫、かなりの可愛いがり方だったようだ。


多趣味な父さんをよそに僕は普通に育っていくのだが生後何ヵ月かで僕は脱腸という病気になる。


泣きじゃくる僕に父さんも母さんも、いつもよりうるさいくらいでしかなかったらしく、そのうちやっぱり様子がおかしいとなったらしく、近くのじいちゃんやばあちゃんに知らせれば良かったのに、なぜか父さん側のばあちゃんにまず連絡、そして「すぐに来なさい。」の声に父さんと母さんと苦しむ僕は病院をスルーし、現住所から50分はかかる糟屋郡まで車をかっ飛ばし、父さん方の実家に向かった。


そして、医者でもなんでもない篠栗の(糟屋郡篠栗町)ばあちゃんの診察が始まったという。


泣きわめく僕はデッカイ仏壇に奉納され篠栗のばあちゃんは突然踊り出した。


この時点で母さんは直感でマズイ…となったようですが義理の母に何も意見できずに見守るしかなかったという。

踊りが終わると、まだ離乳食も口に出来ない僕に篠栗のばあちゃんは仏壇に奉られてる米を二、三粒飲ませ

「これで大丈夫」

と言ったらしい…


篠栗のばあちゃんの家を後に車に乗りこんだ途端に母さんは父さんに激怒


そりゃそうだ…


病院に直行し夫婦二人して病院の先生にド叱られ僕の命はなんとかなったという


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