君の嘘を知らなくて(仮題)
最悪な男子
次の日。
あたしは自分の部屋で絶叫した。
昨日までなかったカーテンや机が置かれていたのだ。
いや、カーテンも机も元々部屋にあった。
量が増えているのだ。
対して広くもないあたしの部屋を、真っ二つに切るように天井からかけられたカーテン。
入り口の方にあたしの眠るベッドがあり、窓際に机や本棚があったはずなのに。
全てカーテンの入り口側に持って来られていた。
カーテンを開けると、
新品とは言えないけど中古とも言えない適度に使い古された机と、
同じようなベッド・本棚が窓際に置かれていた。
シンプルな物だけど、昨日の話を思い出せば、一緒に暮らすことになってしまった男子の物だろう。
「お姉ちゃん!どうなってんの!?」
「あらアヤメ、おはよう」
「おはよう!
あたしの部屋がとんでもないことになっているんだけど!」
「朝のうちに引っ越し業者さんに運んでもらったわ」
「あたし寝ていたよ!?」
「ええ。
ガタガタやっているのによく寝られるわね。
さ、朝ご飯食べちゃいなさい?」
…人が寝ている間に、引っ越し業者いれるなー!