君の嘘を知らなくて(仮題)
「初めまして、お世話になります。望月です」
お世話になります?
望月?
「……あぁ!」
今日から同居するって人だ!
「椿さんから、話は聞いています」
「え?じゃあ…お姉ちゃんの旦那さん?」
「ええ…そうです」
恥ずかしそうに顔を赤らめる旦那さん。
初めて見たけど…。
お姉ちゃんの趣味を疑ってしまう…。
「…お姉ちゃん呼んできます!」
あたしは出た家に引き返した。
靴を乱暴に脱いでリビングに居たお姉ちゃんに声をかける。
ちなみにお姉ちゃんはスーパーのレジ打ちのパートをしていて、家を出るのはあたしより遅い。
「お姉ちゃん!」
「どうしたの?忘れ物?」
「旦那さん来てるよ!」