君の嘘を知らなくて(仮題)
「ヅッキー危ないっ!」
ふと色々思い出し、溜息をついた時。
ドンッと体に酷い衝撃を受け、俺は体育館の床に倒れた。
「ヅッキー!!」
「望月くん!!」
「望月、大丈夫か!?」
一気に多くの奴らが集まってくる。
…一体、何が起こった?
「ごめんヅッキー!
オレ横見てなかった!!」
…どうやらひたすら謝るコイツが、
試合に夢中になって俺にぶつかったというわけらしい。
「……僕の方こそごめんね。
ちょっとボーッとしていたからさ」
嘘だらけの笑顔を、皆は信じた。
「ちょっと保健室行ってくる」
「じゃあ保健委員ー!」
「あっ先生、大丈夫です。
僕1人で行けますから」
俺は戻ってきたばかりの体育館を出た。