君の嘘を知らなくて(仮題)
ユキくんの首輪
「んっ……んくぅ……!」
自分でも何を言っているかわからない声が出る。
離れてはくっつき、離れてはくっつきを繰り返す乱暴なキス。
キス不慣れなあたしは、初めて少女漫画の主人公の気持ちを知った。
桜太は離れ、あたしを見て笑った。
「うぶでやりにくい」
「……は!?」
人にキスしておいて、文句ですか!
酷くないすかそれ!!
「人のファーストキス勝手に奪っておいてやりにくい!?
あんたどれだけキス慣れしているの!?」
「彼女がいるものですから。キスは慣れたものですよ?」
「リア充爆発しろ!永久消滅しろ!!」
「世の中の恋人、及び夫婦を馬鹿にしてはいけませんよ。バカメさん」
「アヤメだって、何度言えば気が済むの!!」
このやり取り、もう何回目?