君の嘘を知らなくて(仮題)
「…気のせいかな?」
首を傾げ、歩き出そうとすると。
突然肩が重くなった。
と思ったら、あたしは地面にうつ伏せに倒れる形になっていた。
…何が起こった?
何故あたしは倒れている?
しかも何?
背中に圧し掛かる重みは。
「イテテテ…弾力性のねぇクッションだなぁ」
上から声が聞こえる。
どうやら声の主が、何故か猫のように、塀から落ちてきたんだ。
そして落ちてきた所に丁度あたしがいた…らしい。
「ちょっと…どいてください」
「あ゛?黙ってろ」
…何でこんな言われてんだ、あたし。
「あー、今日は朝からついてねーや」
どうやらあたしの背中の上で座っていたソイツ。
ヒョイッと立ち上がり…何だか踏まれる感触。