君の嘘を知らなくて(仮題)
「だって親友でしょ?私たち」
「……言ってないよね?」
言ったことはない。
最初に決めたルールだから。
「親友が何を隠しているかなんて、わかってるよ」
「……胡桃」
ニィ、と三日月のように胡桃の口元が孤を描く。
「それにわかってるよ」
「……何を」
「望月桜太のこと、だよ」
「胡桃……何者?」
今まで疑ったことがない、あたしの親友。
……あれ?
親友?シンユウ?
どうして、親友になったの?