君の嘘を知らなくて(仮題)
「大丈夫。もう少しでわかるよ」
「……胡桃!」
胡桃はあたしの横を通り過ぎ、走って行く。
灯の少ない夜道に、胡桃の姿が消えていく。
「……あっ、そうだ」
「え?」
「望月桜太なら、夕焼け公園にいると思うよ」
「待って胡桃!
どうして胡桃が知っているの!?」
「ばいばーいアヤメ!
夜道には気を付けるんだよー?」
あたしの質問には答えず、走って行く胡桃。
あたしはその場で放心したけど、すぐに公園に向かって走り出した。
いつの間に、親友と言う間柄になったのだろうか?
どこでどうやって、知り合ったのだろうか?
いつから、あたしの隣にいるのだろうか?
気が付けば、傍にいた。
だから、親友になった。