君の嘘を知らなくて(仮題)
俺は机の引き出しを開けた。
中に入っているのは、“彼女のいる”俺が“真幸”のために買っていたプレゼント。
雑貨屋でアヤメと会った時買ったネックレスも、綺麗にラッピングされたまま入っている。
……使われることも、このラッピングが解(ほど)けることもない。
おじさん。
どうして?
幸恵さん。
どうしてだ?
どうして、
アイツをないがしろにした?
どうして、
真幸だけ愛してた?
真幸にいつか聞いた。
両親が離婚するとき、どっちが真幸を引き取るか揉めたって。
最終的に女の子を引き取るのは母親だ、と言うことで幸恵さんが引き取った…と。
その時、アイツはどんな想いだったのだろうか?
真幸は、どう想ってた?
「……無視されたら、ショックだろうな」
俺は…受け止めよう。
真幸をどんな形であれ殺した俺が。
もし嘘でも
「好きだ」と言われたら
……その時は…