君の嘘を知らなくて(仮題)
夕食の時にて
「いっただきま~す」
あたしは目の前に並べられたご飯を見て目を輝かせ、
両手をパンッと合わせて箸を手に取った。
そしてまずはお味噌汁をこくんっと飲んだ。
「美味しいッ!
お姉ちゃんこれ美味しいよ!」
「本当?良かったわ」
目の前でにっこりとお姉ちゃんが微笑む。
あたしはパクパクと食べ進めた。
あたしの名前は
河西彩愛(かさい・あやめ)。
お姉ちゃんを含んだ周りの人からはアヤメって呼ばれてる。
華の!…とまで言えるかわからないけど、高校2年生。
成績は下から数えた方が早くて、スポーツも苦手。
生まれつきの肩までの茶髪が自慢の、どこにでもいる女子高校生。
強いて他の人と違う所を挙げれば、それはお姉ちゃんとふたり暮らしのこと。
両親は仕事が忙しい人で、今は海外で仕事をしている。
結構仕事場では頼りにされているんだって!