君の嘘を知らなくて(仮題)
「えっ!?
何でこのカップ使っちゃうの!?」
「ごめんね~。
お椀が1つ見つからなかったのよ」
家に帰って着替え終わると、夕食だと呼ばれ。
行ってみるとあの雑貨屋さんで買ったマグカップの中に、不似合なお味噌汁がいれられていた。
「もうお姉ちゃん、お椀が見つからなかったって言っても、このカップに入れないでよぉ」
「これからは気を付けるわ」
クスクス笑うお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんを優しく見守る風太さん。
桜太は気にせず、あたしの隣でご飯を食べ進めている。
あたしは桜太のことを気にしないようにして、ご飯を食べた。
話すのも、お姉ちゃんや風太さんだけだった。
「アヤメちゃん」
「あっ風太さん」
ご飯を食べ終え、部屋に行かずリビングでボーッとしていると。
風太さんがあたしの横に座った。
「桜太と何かあった?」
…風太さん、鋭い。