君の嘘を知らなくて(仮題)
時折書かれている、私について。
私は真幸のこと何て気にしていなかったのに。
真幸は私のこと、気に掛けてくれていたんだ…。
「……!」
日記を読み進めていくと。
ある日の内容に、私は驚き息を飲んだ。
<6月5日 雨
今日はトモコとお出かけの日。
お母さんに貰ったネックレスを褒めてもらった。
でもそれより嬉しいことがあった。
トモコとウィンドウショッピングをしている時、
胡桃を見かけた。
そういえば朝出掛けて行ったなと思いだした時、
ふと胡桃の横にいる子が目に入った。
あの子はクラスメイトの河西彩愛ちゃんだ。
同じ図書委員をしているから、仲は良くないけど話す程度。
胡桃と楽しそうに歩いていた。
わたしは不思議とその時ほっとした。
胡桃は家ではあまり笑わない。
笑った方が絶対に可愛い子なのに。
だけど、
彩愛ちゃんと並んで歩く胡桃は
本当に楽しそうに笑っていた。
不思議とほっとした。
きっとこれを本人に言ったら失礼だから
日記の中だけにしておく。
わたしにも、あんな笑顔見せてくれたら良いのに。
それともわたしのこと、胡桃は嫌いかな?
嫌われてもしょうがないことばかりしているもんね。
書きながらふっとため息が漏れてしまう。
きっとわたしはシスコン。
妹が大好きな、シスコン。
絶対本人には言えないけど、わたしは間違いなくシスコン。
彩愛ちゃん。
胡桃を、わたしの大事な妹を、幸せにしてあげてね>