君の嘘を知らなくて(仮題)







ぽたっ

ぽたっ





真幸の丁寧な字に、涙がこぼれ落ちる。

そして同時に、書かれた文字に笑いが漏れる。




「シスコンって…自分で言っちゃうの?」




…なんだ。

真幸は私のこと、好きだったんだ。

素直じゃないんだから。

嘘つきなんだから。





「……馬鹿っ…。
お姉ちゃんの、馬鹿ぁ…!」




どうして何も言わないで死んじゃったの。

私ずっと、お姉ちゃんのこと勘違いばっかりしてきた。

挙句の果てには復讐なんて間違った方向にいこうとしていた。

お姉ちゃんはこんなにも私を好きでいてくれたのに。




お姉ちゃん。

私、幸せだよ。

アヤメと親友になれて、家族とわかり合えて、お姉ちゃんの気持ちを知ることが出来て。

私は今、どうしようもなく幸せだよ。






……ありがとう、お姉ちゃん。

大事な大事な、私の双子の姉。







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