君の嘘を知らなくて(仮題)
「んじゃな」
「うん、また後で」
家の外で別れる。
俺はいつも通り塀を上って学校へ行く。
誰もいない教室が、俺は好きだ。
「……ん?」
机の中に教科書をいれようとした時気が付く。
中に入っていた、ノートのページを切ったような四つ折りの紙に。
「……何だコレ」
開いてみると、
誰が書いたかわからないように一画一画定規で引っ張られて書かれた文字が並んでいた。
<どういう関係なの>
…主語を言え主語を。
意味わからねぇよ。
俺は溜息をつき、一応捨てずに鞄の中に仕舞った。
そして誰もいない教室の中で
耳にイヤホンをさしながら本を読んだ。