君の嘘を知らなくて(仮題)
「桜太。
椿さんの妹が、アヤメちゃん」
「改めまして、望月くん。
河西彩愛です」
「…望月桜太です」
「話したよね?
奥さんの家に同居するって」
「……あぁ。
それで河西さんがいるんだ」
納得したように頷く望月くん。
あたしは少し気になったことを聞いてみた。
「ねぇ。
お姉ちゃんって、風太さんのご両親に挨拶に行ったんだよね?」
「ええ」
「どうして、望月くんとは初対面なの?
その時会っていないの?」
「あぁー…。
その時確か桜太くん、彼女さんの所行っていたのよ。
それで会えなかったわ」
「そうなんだ」
彼女さん、愛されてるなー。
「まぁ自己紹介も終わったことだし、食べましょうか!」
お姉ちゃんと風太さんが隣同士で座るから、
あたしと望月くんは必然的に並んで座ることになる。
…距離が近いっ!