君の嘘を知らなくて(仮題)
ちょっと不満気なお姉ちゃん。
すると読み取ったのか、望月くんが口を開いた。
「じゃあ頑張って、タメ口で話します」
「無理しないで良いのに~」
「別に気にしないで。
タメ口で良いと言うのなら、僕はそうするから」
「素敵な弟!
ガサツな妹とは大違いだわ!」
「…ちょっとお姉ちゃん?」
「桜太くん。
アホな妹だけどよろしくね」
「はい」
…否定してよ。
眩しい笑顔を崩さぬままご飯を食べて行く望月くん。
でも、やっぱり素敵だなぁ。
望月くんみたいな人、彼氏に欲しいかも。
彼女さんから奪うつもりは全くないけど。
「……これは?」
望月くんが興味を示したのは、あたしが買って来たマグカップ。
「これ、望月くんと雑貨屋で会った時に買ったんだ」
「……あぁあの時」