君の嘘を知らなくて(仮題)
突然の出来事に素っ頓狂な声を上げてしまい、
あたしは少しだけ恥ずかしくなる。
「ベッド、どこ?」
「へ?」
「耳悪いね、ベッドどこ?」
「……あっち、デス…」
震える人差し指で、ベッドの位置をさす。
というか…視界にはいっているはずですが…。
望月くんは優しく、あたしをベッドに寝転がせる。
そしてやっぱり顔は、至近距離。
近い近い近い近い――ッ!
「……安心して良いよ。
俺絶対に同居のこと言わないから」
「ほ、本当……?」
サヨナラグッバイしなくて良いんだ、あたしの生活!
ほっとしたのも束の間。
クスッと望月くんは微笑んだ。
「ただし、条件がある」
「条件……?」
何だろ。
ちょっと嫌な予感がするのは気のせい?