君の嘘を知らなくて(仮題)
「俺の言うこと聞いてくれる?」
「望月くんの言うこと…?」
「そ。
それを聞いたら一切同居は話さないよ」
「……例えば…どんなことですか…」
近いよ近いよーっ!
叫びたい気持ちを我慢し、震える声で聞く。
「……そうだね。
じゃあまず、俺が今思っていること全部話すね」
スッと離れた望月くん。
あたしも上体を起こした。
「気にしないでってどういうこと?」
「え?」
「さっき言ったよね、気にしないでって。
あれ、男の俺に向かって言えると思ってんの?
大体あんた馬鹿だよね。
同い年のしかもクラスメイトが同じ屋根の下にいるって言うのにそんなに無防備で。
いつ襲われても可笑しくないよね?
朝だって踏み潰されて散々俺に罵られてんのに無理矢理俺を剥がそうとしないで、口ばっかり止めて止めてほざいてさ。
口だけで何もかも解決できるなんてその考え、間違ってるよ。
大間違いだよ、テストで0点にも満たないよ。
学校でもそう。
クラスの女子なんて放っておけば良いのに女の子に手出しするななんて。
お前はどこの戦隊ヒーローだよ。
普通女ってアニメの中だとピンクとか黄色だけど、お前が行ったあの台詞、言うのは男だろ。
お前は男か。
女子力の欠片もねぇお前みたいな女と同じ屋根の下で暮らすなんて、本当最悪。
兄貴がお前の姉貴に惚れているからこのまま文句言わず過ごすけどさ。
兄貴ってああ見えて怒らせると怖ぇから。
さっきの話に戻るけど部屋案内する時だってそう。
荷物が運ばれているから今更しょうがないって、お前本当に無防備すぎ。
馬鹿じゃねぇの?
本当にその頭の中脳みそ入ってる?
入ってたとしてもすっからかん?
まぁすっからかんだよなぁ。
俺が舌打ちしたのわかっているはずだけど空耳かなって。
お前本当に女子高生かよ。
俺あの時、本気でお前の年齢疑った。
お前女子高生に見せかけたババァじゃねぇよな?
それとも何?
クラスで紳士だ王子だイケメンだ騒がれている俺の噂を真に受ける、馬鹿な女の1人だったりする?
ハハッ、超ウケる」