君の嘘を知らなくて(仮題)
「いつあたしが失礼なこと言ったのよ…!」
「お前の顔」
「へっ」
「お前の言葉」
「ちょっ」
「お前の態度。
それが全部、俺に対して失礼」
…なんじゃそりゃあ!
「……ねぇ誰なの」
「主語言え主語を。
俺がテレパシー使えるって噂立ってんのか」
「違うっ。
誰が最初に王子だ紳士だ言ったの!」
「ぶっ飛ばすつもり?野蛮だねぇ」
「そんなことしないっ!
その子に教えてあげたいの!」
「何を?
お前は馬鹿で無防備ですって?
女子に言うより男子に言った方が良いよ、それ」
「言いませんっ!
その子に教えてあげるの。
望月の本性ってモンを!」
望月くんはクスッと笑った。
何が可笑しい!