君の嘘を知らなくて(仮題)
「……ねぇそう言えば、さっき変なこと聞いた気がするんだけど」
「何だ、幻聴聞こえたか。
精神科に行くことも勧めるぞ」
「違うっ。
さっき言っていた、朝の出来事って何?」
止めて止めて口だけって。
どうして望月くんが朝の出来事知ってるの?
「は?
お前って本当の馬鹿なんだな。
薬で治せないから…哀れなもんだ」
「もしかして…あの男子って望月くんだったの!?」
「今更気が付いたのか……」
はぁ、と溜息をつく望月くん。
至近距離に顔があるから、吐息が頬に当たってくすぐったい。
「じゃああの猫は知り合い?」
「知り合い?
あの猫は…って、どうでも良いだろ」
「良くないよ!」
「は?」
「あの猫可愛いから、また会わせて?」
「ぶわっかもーんっ!!」
某アニメのおじいさんのような叫び声が響いた。