君の嘘を知らなくて(仮題)
「うるさいっ!」
「馬鹿じゃねぇのお前!
信じられねぇ馬鹿なんだけど!
特別天然記念物並みの馬鹿だぞお前!」
「馬鹿馬鹿うるさいよっ」
「だってそうだろ!?
この状態でよく猫に会いたいなんて言えるな!」
「だってあの猫…可愛かったから…」
「……うぜぇ」
「えっ!?」
いきなり暴言!?
と思った矢先、唇に当たる柔らかい感触。
……まさかあたし、
き…キス、されてる…!?
「……キス慣れしてないだろ、お前」
「当たり前でしょっ…!
彼氏いたことないんだから…!」
「真っ赤。林檎みてぇ」
「うるしゃいっ」
「噛んでるし」
ハハッと笑った望月くんは、
再びあたしの唇を塞いだ。