君の嘘を知らなくて(仮題)
「……彼女、いるんでしょ」
離れた時言ってみる。
顔はまだ、近いまま。
「いるけど?写メ見る?」
「見なくて良い。
…あんた、さっきあたしにやったの、浮気だよ?」
「……だから?」
「だからって…!」
「お前に関係ねぇだろ。
俺が誰にキスしようがセック」
「それ以上言うなーっ!」
でかい声を出して制止する。
「…何しようと俺の勝手だろ?」
「彼女さんに悪いと思わないの?」
「別に?
だってこれが普通だし。
向こうだってこーいうこと、いっぱいしてるし」
あたしの肩から手が離れ、ベッドから下りる望月くん。
そしてまだベッドに横になったままのあたしを見て、一言。
「そのままだったらお望み通り、襲ってやるけど?」
「結構ですッ!!」
本当、誰なの!?
どちら様ですか!?
あの望月桜太がこんな奴だったなんて!
最悪、最悪、最悪。
早く望月の親、帰って来てーっ!!