君の嘘を知らなくて(仮題)
あたしは溜息を朝っぱらからつきながら立ち上がり――再び声にならない悲鳴を上げた。
今あたしが着ているのは、今年のお正月、お姉ちゃんが福袋で当てたパジャマ。
サイズがお姉ちゃんに合わなくてあたしが貰ったんだけど。
白に甘いピンク色のリボンが所々についた、いわば姫系。
しかも2番目までボタンが外れ、もう少しで胸元が見えてしまいそうだった。
最悪!
こんな姿見られたの!?
少し髪の毛に触れると、右がピョコンとはねている感触。
寝癖もあったのか~っ!
あたしはガックリとその場にうなだれた。
だけどそのままじゃいけないので、気持ちを切り替え立ち上がり、壁にかけられた制服を手に取る。
ちなみに制服は、ブレザータイプ。
紺色を基調としていて、女子はリボン、男子はネクタイの違い。
パジャマの前ボタンを開けながらふと考える。
そういえばさっき、望月くん制服姿だったな。
いつの間に着替えたんだか。
パサリとパジャマを脱ぎ捨て、上半身裸になったところで、下着をつけていると。
ガチャリと扉が開いた。
「遅ぇな何しているんだ……、よ…」
「……へ」
…………。
「うああああっ!?」
「きゃあああっ!?」