君の嘘を知らなくて(仮題)
素直な君は、君じゃない
「ねぇもちもちー、どこまで行くのー?」
延々と歩かされ、今は階段を上っている。
一体どこに行くんだか。
「良いから黙ってついてこい」
プロポーズかよ!
「もう無理ーっ」
「はあ?
お前いくつだよ、情けねぇ」
「ちょっと休んでいこうー?」
「……駄目だ」
時計を見たもちもちが、首を振る。
「早くしろ」
「うぅー…」
ゆっくりと1段1段上る。
普段体育以外運動しないあたしにとって、階段はとんでもないものに見えた。