調理部なんてどうでしょう?
宮島君はなんて優しい人なんだろう。こんな私のためにまで頭を悩ませてくれているのだろうか。







・・・あれ、何だかデジャヴ。
前にもこんな事を考えていた気がする。・・・・そうだ、私同じようなことを朝茄君にもいつも思ってる。



サッカー部の人って皆こんなに優しいのかな。それとも、たまたま朝茄君も宮島君も優しい人だっただけ?


「あの・・・、九重さん。」


宮島君が沈黙をやぶる。



「調理部には変わった人が多いし、俺もそんなに良い奴じゃないけど・・・。」


宮島君はさっと手を私に差し出した。




「まずは・・・俺と友達になろうぜ!」



私は立ち止まって唖然と宮島君を見つめた。宮島君、いきなりどうしたの?別に私友達が欲しいなんて言ってないし、思ってもないよ?



「その、どうせ同じ部活だし・・・まずは握手からっ。」


そう言っていつものスマイルを浮かべる宮島君。


「私・・・そんな、無理に友達欲しいなんて・・・。」

「全然無理にじゃないから!ほら!」

戸惑う私に片手を突き出す宮島君は、うそ偽りのない笑顔だ。





私は、散々躊躇してから、おずおずと宮島君の手を握った。

「よろしく!」

「よ、よろしく・・・。」
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