調理部なんてどうでしょう?
どうしよう・・・。私ってこんなに軽い女だったんだ。



心臓がバクバクする。男子と握手なんて、私の人生では数える程以下かもしれないのに。その中の数少ない一回がこんなタイミングで、きたなんて。



あぁ、これくらいで、こんなにも動揺してしまう私はやっぱり駄目だな。


「えっと、じゃぁ、俺・・・先行くわ!じゃぁな、九重!」

「う、うん。」


パッと手を離す。
宮島君は最後ににかっと笑って私に背を向けた。


あと少しで宮島君が廊下の角に消える、とい時に私は思い切って宮島君に聞こえるよう、声を出した。


「あ・・・ありがとう!!」




宮島君はぴたっと立ち止まって、こちらに振り返った。それからこぶしをグーにして親指を立て、グットポーズをすると、宮島君はにかっと笑って廊下の角に消えていった。


こういうのを、幸せっていうんだろうか。
何だか、胸が興奮して落ち着かないというか、ざわざわするというか、何と言えばよいのか自分でも分からないけど・・・




・・・・少しでも気をぬけば、顔がにやけてしまいそうだ。




今日の放課後、また宮島君と話ができる。それを何となく楽しみにしている自分が、素直に嬉しかった。




宮島君はいい人。朝茄君ももちろんいい人。だから私が惹かれたところが2人共にそれぞれあるけど、この感情がそれぞれ何なのか、私にはまだ分からなかった。




そう、私はまだ全然何も知らないただの女子高生。素直に自分の考えに従うこともできないような、そんな年頃なんだ。






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