調理部なんてどうでしょう?
「失礼しまーす。」「失礼します。」

昼休みにも来た、調理室に二人そろって入る。
もうすでに華嬢先輩と猫塚先輩は部室に来ていた。


「遅い!2人共初日から遅刻なんて、どういうつもりなのかしら!?」

「すみません、俺がちょっと友達と話し込んじゃってて。」

さりげなく私を庇ってくれる宮島君。やっぱり優しいな。


「まぁ、いいわ!特別に許してあげる!」

華嬢部長はパイプいすに座って足を組みなおし、私達をびしっと指差した。



「その代わりに、調理なさい!」



「え、いきなりっすか?」

宮島君が聞き返す。それは私も同感だ。


「まさか、この私に調理という、召使がするようなことをやらせる気なのかしら?この通り、猫塚君は動いてくれないし、あなた達がやるべきよ。」


猫塚先輩は教室のすみの方のいすに座って机につっぷして寝ているようだ。部長と副部長はそろって調理をする気はないらしい。



・・・これでこの部活はなりたつんだろうか・・・。



嫌な予感がする。

「宮島君、・・・調理とかできる・・・?」

「えっと・・・実は俺も全く調理に関してはできないんですよねー・・・。」


あはは、と苦笑いをしてつむじをかく宮島君。



ちょっと待ってよ、じゃぁ私だってそんなに得意じゃないよ?


・・・・この部活全く中身はなりたちそうにないんだけど・・・・。



気まずい沈黙の中、私はこれからの部活を思って嫌な汗が背中をつたった。
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