調理部なんてどうでしょう?

「・・・パスタ。」


私ははっと声のするほうを見た。
猫塚先輩が頬杖をついてこちらを見ている。


「パスタっすか?」

宮島君が聞き返すと、猫塚先輩は頷いてまた腕の中に顔をうずめてしまった。


「どうする?」

宮島君が聞いてくる。

「とりあえず、作ってみようか。」

私は冷蔵庫を確認して返事をした。

「えっと、パスタって言ってもたくさんあるけど・・・私の知ってるものでいいかな。」

「九重さん、作り方知ってるの?」

「うん、家で作ってるものくらいなら・・・。」

明確には覚えてないけど、それは携帯で調べて調整しよう。


「じゃぁ、私が言う材料、宮島君取ってくれる?私、道具探してみるから。」

「おっす、了解!」


今回はうちでよく作る、定番のトマトパスタを作ってみよう。
道具を探すと、必要そうなものはすべて揃っている。材料も全部揃っているようだ。


「よし、宮島君。にんにくとベーコンを切ろうか。」

私と宮島君は制服の上に教室にあった割と清潔そうなエプロンをつけ、調理を開始した。



しかし・・・・。


「いってぇぇええええ!!」

「どうしたの、宮島君っ!?」

見ると包丁で指を切ったようだ。

「あ、指洗って!私絆創膏持ってるからっ。」

私は慌てて包丁をおいた。
指を洗った宮島君は、痛そうに顔をしかめている。

「はい、ちょっと待ってね。」

私はポケットティッシュで血をふき取ってから、絆創膏をできるだけ丁寧にまいた。
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