調理部なんてどうでしょう?
「まだ正式にはこの部活、たちあげてないんだ。最低4人いないと部活作れなくてさ・・・。だから、はっきり言ってずっと暇そうな九重さんなら入ってくれると思ったんだけど・・・。」

確かに私は年中無休で暇人だ。部活も入ってなければ、誰かと遊ぶこともない。常に本が私の恋人だ。

「お願いします!絶対一人は連れてこないと先輩の雷が落ちるから・・・っ」

そんなに怖そうな先輩がいる部活にははっきり言って入りたくないなぁ。宮島君にも「はっきり言ってずっと暇そう」とか言われたし。

「無料(タダ)でうまいもん食えるし、将来のためにも料理を学べるし、たくさん食えるし!!」

最初と最後ほぼ同じこと言ってるよね、宮島君。宮島君はおそらく「無料(タダ)でたくさんうまいものが食える」という好条件に食いついたんだろうな。

「4人ってことは、宮島君と先輩を足して、あと何人入部希望者がいたら正式に部活を作れるの?」

「よくぞ聞いてくれたよ九重さん、実は、あと・・・」

宮島君はもったいぶって間をおくと、パッと私を指差した。

「1人!まさに九重さんだよ!」

「は、はぁ・・・。」

宮島君、ちょっと強引だけど人を誘うのがうまいなぁ・・・侮れない人だ。一見はただのやかましい男子なんだけど。


「九重さんが必要なんだ!お願いします!入ってください!」


何でそんなに私にこだわるんだろう?まさか、いや多分違うと思うけど・・・もしかして・・・


「だって部活に入ってなくて簡単に承諾してくれそうなの、九重さんしか思いつかないし!!」

・・・あ、ごめんなさい。私、自惚れてました。本当にすみません、宮島君。てっきり宮島君は私のことが好きなんだと思ってしまいました。



私ってそんなに気弱そうに見えるかな?まぁ、普段から地味だし、目立たないように周りに流されていることはあるけど。



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