theater

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私は真っ暗な部屋で涙を流している。


部屋は六畳ほどで窓はなく、ソファーに座ってビデオを見ていた。ビデオの画面が部屋を青白く照らす。


合唱の美しい声に歌詞はない。それがビデオの音声なのかはわからない。


外は雪のように冷たいから外出には勇気がいる。でも、そろそろ時は近づいていた。


温かい部屋。温かい食事。必要なぬくもりの中で、外へ繋がるドアを開けると、記憶に鮮明な二つの目があらわれた。


「はじめまして」と挨拶した私の声は、当の相手に届いただろうか。