ドクター2
「実加?ちゃんと話せよ。
今日、何かあったんだろ?」
寝室でベッドに入って横になっている実加に実が聞いた。
「・・・・・・。」
黙ったまま、実加は実に背を向けた。
「なんかカンナに言われたか?」
「・・・・・・私、カンナに辛い想いをさせちゃってる。」
「ん?」
「・・・・・・私のせい。
カンナはすごく丈夫だったから・・・・・・。ずっと安心して。」
「あぁ。俺もだ。
だけど、カンナが喘息であることは、実加のせいじゃない。
自分を責めるなよ。」
「・・・・・・。」
「カンナが何か言ったのか?」
「・・・・・・。」
「そうか。
今は自分の体に納得いかないから、誰も受け入れられないんだと思う。
このままだと体に良くないんだけどな。」
「本当に、カンナには申し訳ないよ・・・・・・。」
実加は涙を流して下を向いた。
「だから、自分を責めるな。大丈夫だから。
もう少しカンナが落ち着いたら、また会いに行けばいいよ。
それまで俺や院長が行くから。」
「うん・・・・・・。ありがとう。
ゲホッ。」
実加は泣きすぎたのか、むせはじめた。
「ほら、ゆっくり呼吸して。」
そういいながら、実加を抱きしめ、額にキスをした。