ドクター2
病室に戻ってベッドに横になった。
要くんの手術が成功したからって、私の心は安心できなかった。
もう一度、要くんの笑顔が見たかった。
私があんな所にいかなければ、要くんはこんなことにならなかったのに・・・・・・。
そんなことを考えていると、部屋の扉が開いた。
「カンナっ!?」
勢いよく入ってきたのはパパ。そしてその後ろに青木先生。
バシッ!!!
パパに頬を叩かれた。
それに驚き青木先生がなだめる。
「何してんだ!!!」
「・・・・・・。」
全て私が悪い。
だから言葉が出てこない。
「知ってただろ?心臓が悪いことを。」
「・・・・・・うん。」
「手術が成功したから良かったものの、うまくいかなかったら、どうなってたか分かるか?」
分かってるよ、そんなに言わなくても。
私だって心配で、何時間も手術室の前で祈ってたんだから。
「カンナ!?何か言いなさい!」
パパは怒鳴り声を挙げている。
すると後ろから青木先生が、パパをなだめていた。
私だって、分かってる。
分かってたから、要くんに帰るように言った。
でも、要くんの寂しそうな顔を見たら、それ以上言えなかった。
私の頬には涙がポロポロと流れ落ちた。
興奮して、息がうまく吸えなくなるくらい。